スピーカーひとつポンと置いておけば、離れた場所から無線飛ばして簡単に音を鳴らせる時代ですが、昔から慣れ親しんだ古いオーディオ機器を捨てられずに温存しているご家庭も多いと思います。
我が家にもミニコンポやアナログスピーカーなど、捨てるに捨てられない愛着品が残ってます。
以前から色々な方法を探してはトライしてましたが、サンワサプライの400-BTAD008を導入してからは快適に使えているので、この機会にご紹介しようと思います。
ワイヤレス化変遷
無線機能を持たないオーディオ機器を無線化する製品と初めて出会ったのは10年…。いや、もっと前かな?
当時はCDの音源をパソコンに取り込んでも、音質の良いオーディオで聞くためにはあらためてCDに焼く作業が必要で、手間だしCDは増えるしで、なんとか良い方法はないものかと考えることがありました。
パソコンに保存した音楽をCDなしで再生する方法としてはネットワークオーディオプレーヤーがあります。
ただ、目の前にお気に入りのオーディオ機器があって、故障も無く立派に音を鳴らしてるのに、わざわざ新しい機器を買う気にはなれませんでした。
そんな時、USBワイヤレスアダプターとヘッドホンのセットを紹介する記事を目にしました。持っているものを無駄にしないで最大限に活用できる製品だ!と思わずポチッていました。
音楽配信が当たり前になる一歩手前で、スマホ全盛の時代が来るなんて想像もしていなかった頃です。
ラトックシステム REX-Link2SHP
RATOC USBワイヤレスアダプタヘッドホンセット REX-Link2SHP
USBメモリと同じ形の送信機と、小さなキューブ型の受信機、それにヘッドホンの3点がセットになっている製品で、パソコンに保存した楽曲をワイヤレス再生できるというものです。
今でこそBluetoothで当たり前のように音楽を無線で飛ばしていますが、当時は規格の問題もあり、マウスやキーボードなど、PCまわりの身近な周辺機器に対応するくらいにしかBluetooth製品が展開されていませんでした。そのため、この製品は画期的に思えたものです。
REX-Link2は、受信機と接続した機器、もしくは、ヘッドホンのどちらかから音を出します。
コードレスのヘッドホンで音楽を楽しめることや、PC内の音楽を愛用のオーディオ機器から再生できることが嬉しい製品でした。
あまりに酷使したせいか? ヘッドホンカバーがボロボロになり、最後はキューブ型受信機のスイッチが入らなくなり、使い物にならなくなってしまいました。
NAS+iPad
REX-Link2の後継機がなかったことや無線の不安定さを解消するため、次に選んだのはNASでした。
NASを簡単に言えば「ネットワークに接続したHDD」という感じですが、NAS自体にDLNAサーバー機能(メディアサーバー機能)が搭載されているので、NAS内に保存した音楽や動画をDLNA対応のスマホ、タブレット、テレビなどで再生できます。
その時は、NASからUSB-DACを経由してスピーカーに接続して使っていました。
- NAS・・・Synology DiskStation DS216j
- USB-DAC・・・Signstek Audio USB-DAC
再生操作はPCから行うこともできますが、iPadからも操作できることが便利でした。なにより接続環境が有線になったことで、電波干渉で音飛びすることはなくなり、安定した再生環境になりました。
このまま使えていれば快適そのものだったのに、なんと、NASのOSがバージョンアップしたときに、USB-DAC接続のサポートがなくなってしまいました。
NASを買った一番の目的だったのに、こんなことになるなんて・・・
Bluetoothトランスミッター
今回ご紹介するサンワサプライの400-BTAD008の前に、同じサンワサプライ製品のトランスミッター(400-BTAD002)を試したことがあります。
400-BTAD002は、無線機能の無い機器に接続してBluetooth化できる製品です。手のひらにスッポリと収まるほどの小ささで、スイッチひとつで送信か受信かの機能を切り替えることができます。
Bluetooth機能のあるPCなら、400-BTAD002を受信器としてオーディオに接続して使います。
ただ、我が家の環境と相性が悪かったのか、デスクトップPCとトランスミッターの間での何かしらの干渉があったのか、音飛びやノイズが頻繁に発生してしまい、PC内の音楽を再生させるのはやめました。
送信と受信を切り替えられる400-BTAD002は、2台を使ってBluetooth機能の無い機器同士でデータのやり取りができるようになります。
例えば、テレビを送信、有線のヘッドホンに受信という形で繋ぎます。すると、少し離れた場所でもヘッドホンから音を拾うことができるようになりました。
また、眠っていたMDプレーヤーからスピーカーに飛ばして、MDでしか聞けない音源を聴くことができるようになり、400-BTAD002自体は重宝しました。
サンワサプライ 400-BTAD008
「NAS → USB-DAC → スピーカー」で音が出せなせくなった上に、Bluetoothではノイズが酷い。コリャ困った・・・
他に良い方法が無いかなぁと探し回り、発見したのが サンワサプライの400-BTAD008でした。
同じBluetooth対応機器でも、以前の400-BTAD002に比べてかなり進化している様子でした。
高音質コーデック「apt-X」「apt-X LL」「apt-X HD」に対応しています。同じく高音質コーデックに対応したポータブルオーディオ機器やスマートフォン、パソコンと組み合わせると、ワイヤレス接続でも有線接続と遜色ないクオリティの音楽を楽しめます。
ん~、なんだかよくわからないけど、遅延がほとんどなくて高音質になったということらしい・・・
この頃にはスマホを持つようになっていたので、PCとの相性が悪くても、スマホと接続して使えると踏んでポチッてみました。
400-BTAD008 スペック
機能 | 送信/受信 |
対応コーデック | SBC apt-X LL apt-X HD |
接続端子 | 3.5mmジャック 光デジタル USB |
電源 | USB(常時給電) |
最大通信距離 | 100m |
同時接続台数 | 2台 |
使用感
使用環境としては、この400-BTAD008 をスピーカーの光デジタル端子と接続しています。
常時給電タイプなので、イザと言う時に使えないとか、途中で充電が切れるという心配はありません。
特に心配だった遅延とノイズですが、全く気にならないレベルで快適に使えています。
このトランスミッターを使い出してから、それまでの苦労はなんだったんだろうという感じです。
心配なのは、この機種が販売終了になることです。
今ではBluetooth スピーカーが小型化、おしゃれ化、高音質化という具合に進化してるので、わざわざトランスミッターを使ってまで古いスピーカーを使う人も稀なんじゃないか?と思います。
使う人が少なければ、販売する側にとってメリット無いですもんね。
でも、いざ手に入らなくなった時は相当ショックだと思います。どうにか細々と、こうした製品を扱い続けてほしいものです。