パソコンを新しく買い換えたのをきっかけに、Microsoft Office も新しくしました。
PCとセットで購入することもできましたが、今回は製品版を別途購入することにしました。
それにしても販売形態が多すぎて何が何やら…と、混乱するばかりでした。
なんとか購入&インストールまで漕ぎつけましたが、そこまでの経緯を少し整理しておこうと思います。
Office2021
パソコンを購入するときは、できるだけ自分の好みにカスタマイズできるものを選ぶようにしています。
そんな中、今回は Microsoft Officeを「追加する or しない」で悩みました。というのも「最初からパソコンに付属してたほうが『楽』だよね」という感覚と、「お得に購入したい」という気持ちの両方があったからです。
そこで、まずはバンドル版とパッケージ版の価格にどれくらいの差があるか、調べてみました。
すると、自分の知らないうちにOfficeの販売形態が随分と変わっていることを知り、なかなかのカルチャーショックでした。
「Office 2021 Home & Business」をAmazonの商品ページで見てみると、色々な選択肢が用意されていて一体何を選べばいいのやらと、とっさに判断できないほどでした。
ライセンス問題
パソコンとセットになって組み込まれているバンドル版OfficeはPCと紐づいていて、1PC1ライセンスですよね。つまり、バンドルされているPCでしか使えません。
ところがパッケージ版になるとライセンス事情が変わってきます。
現在のOffice製品には、パッケージ版とMicrosoft 365と呼ばれるサブスクリプション契約での利用形態があります。
Office 2021のパッケージ版の場合、1ユーザーで2台までインストールが可能です。
Microsoft 365 の家庭向けOfficeだと使用できるのは1ユーザー(1アカウント)ですが、何台でもインストールは可能で、同時に5台までサインインできるようになっています。
Microsoft 365 の場合、
使用するにはサインインする必要があるよ!
こうしたライセンス事情を把握したうえで、自分の使用環境に目を向けてみましょう。
趣味や在宅ワークがメインで、Officeの使用場面が自宅などに限定される人にとってはパッケージ版で充分でしょう。
複数のモバイル端末を使い分けて、移動先でのOffice使用場面が多い人にとってはサブスク版のほうが使い勝手はいいかもしれません。
この際心配になるのが、ネット環境の無い場所で Microsoft 365 をオフラインの状態で使えるかですが、制限はあるものの、基本的な作業はできるようです。(詳細はこちら)
販売価格問題
PC本体をカスタマイズ購入する際、Microsoft Office に関しては「Personal」「Home & Business」「Professional」の3タイプから選択できるようになっていました。
それぞれの追加価格は次の通りでした。(調査時点)
- Personal: + 25,300円
- Home & Business: + 36,300円
- Professional: + 75,350円
3つのうちどれを選ぶかで価格差は異なりますが、Home & Business の場合で上記価格と市販されているパッケージ版の価格を比べてみると、3千円程度パッケージ版が上回っていました。
とはいえ上にも書いたように、パッケージ版Officeは2台のPCにインストールできるので、実際のお得度はパッケージ版のほうが上回ります。
「Office 2021」と「Microsoft 365」
MicrosoftのWordやEcxelなどがセットになった製品のことを「Office」と言いますが、それらはCD-ROM販売→DVD-ROM販売という形で提供形態が変わってきました。
ネット環境の進化に伴ってソフトのダウンロード販売も始まり、進化系としてサブスクリプションサービスが始まりました。
当初は「Office 365」という名称だったものが、サービス内容の変更・追加などを経て現在は「Microsoft 365」という名称になっています。
現在、Office 2021 は「Office 2021」として1回支払いを済ませれば永続的に使える「買い切りタイプ」と、「Microsoft 365」という名称で販売される「サブスクリプション契約」の2通りになっています。
買い切りタイプ ⇒ 「Office 2021」
サブスク契約 ⇒ 「Microsoft 365」
サブスクリプションは月単位と年単位での契約が選べて、契約期間中であれば常に最新バージョンのOfficeが使える上に、PC、タブレット、スマホなど、複数のデバイスでも利用が可能です。
サブスクリプションは、どちらかというとビジネス利用を念頭に始められたようですが、少しずつ一般家庭向けのサービスも追加されてきています。
特に2022年7月19日から日本での提供が始まった「Microsoft 365 Family」なら、最大6ユーザーまで利用することができるので、家庭内で複数のOffice利用が考えられる場合はかなりお得になる可能性があります。
Microsoft 365 Family | Microsoft 365 Personal | |
---|---|---|
利用料 | 18,400円/年 | 12,984円/年 |
ユーザー数 | 最大6ユーザー | 1ユーザー |
インストール可能台数 | 何台でもOK (同時サインイン5台まで) | 何台でもOK (同時サインイン5台まで) |
販売形態が複雑すぎる…
最新のOffice事情を知ると、「バンドル版の意味って…?」と疑問に感じるようになりました。
どう考えても別途購入したほうがお得じゃないですか?
しかもバンドル版はPCの寿命と同時にOfficeが使えなくなるのに対し、パッケージ版はPCが壊れても、別のパソコンにインストールし直せば良いことです。
メリットがあるとすれば、面倒なインストール作業の必要がなく、すぐに使い始められるということかな?
ということで、今回はバンドル版をやめて、パッケージ版を購入する決心がつきました。
永続版か? サブスクか?
さて、バンドル版をやめて製品版を買うぞ!と決心してから改めてAmazonサイトを覗くと、これまた新しい悩みが発生しました。「Office 2021」と検索しただけでも、同じような商品がズラズラと表示されます。
まずは「買い切り」の永続版パッケージと、サブスクリプションの契約ではどちらが良いか?という問題が出てきます。
下世話な話ですが、パッケージ版の価格がサブスク3年分程度です。
パソコン本体は3年で壊れることがあるかもしれませんが、ソフト自体はOS対応を外れるまでは使い続けられるでしょうから、軽く見積もっても5、6年は買い換えの必要はないでしょう。
常に最新のものを使いたい、AccessやPublisherなど、受けられるサービスは全て使い切るぞ、という意気込みのある人にとっては、サブスクはとても魅力的だと思います。
ですが、使い慣れたバージョンを長く使いたい、あれこれサービスがあってもほとんど使う機会がない、というタイプの人には、サブスクのお得感は低い気がします。
さて、先にも書きましたが、ここにもうひとつ「Microsoft 365 Family」が加わります。
もしも家庭内で複数の家族がOfficeを必要とするなら、「Microsoft 365 Family」がお得になるので、一度候補に入れてみてください。最大6ユーザーまで使えるタイプになります。
ところが、これは導入のタイミングが難しいかもしれません。
というのも、管理人が新しくパソコンを買い替えた時期のほんの数か月前に、別の家族がすでに新しいPCを購入した後だったんです。しかもOfficeが付属しているPCです。
家族中で「いっせいのせっ!」で新しいPCを購入できれば「~ Family」の選択もアリでしょう。けど、それが意外と難しいと感じます。
インストール作業を面倒と感じない人と、「即、使いたい!」という真逆のタイプが家族の中にいる場合もありますからね…
よくよく家族間での意識の共有と時期合わせが必要になりそうです。
そんなこんなで、管理人にとってはまだまだ永続版のほうが良いという結論に至りました。
永続版には「パッケージ版」と「オンラインコード版」がある
さて、これまた混乱する要因のひとつですが、買い切りタイプのOffice 2021 には、パッケージ版とは別にオンラインコード版というのがあります。
「パッケージ版」という言葉からはCDかDVDが送られてくるように想像しますが、現在のOfficeはパッケージ版といえどもネットを介してプログラムをダウンロードします。
「だったら全部オンラインコード版でいいじゃないか!」という声が聞こえそうですが、『管理』という点で、まだまだ形あるものを手元に残したい人がいて、パッケージ版の価値があるんです。
何しろ、今までWordやEcxelが使えなくなった原因のほとんどはPC自体の不調でした。トラブル対応にPCの初期化なんてことになると、オンラインで管理していたものはパスワードは何だ? シリアルナンバーは何だ?と、変なところでつまづきがちです。
その点パッケージ版で管理していれば、プロダクトキーが手元にあるので安心なわけです。
オンラインコード版
オンラインコード版は、Microsoft公式サイトやネットショップ(Amazon、楽天市場、など)で購入できます。
オンラインコード版を購入すると、プロダクトキーが記載されたメールが送られてきます。
購入と同時にダウンロードして使えるので、「今すぐ使いたい!」という場合に便利です。価格設定も、若干パッケージ版より安くなっています。
パッケージ版
パッケージ版は、コンビニや家電量販店などで『POSAカード』と呼ばれるプリペイドカード形態で販売されています。ネットショップを利用した場合は、購入後に『POSAカード』が郵送されてきます。
POSAカードにはスクラッチで隠されたプロダクトキーが記載されています。
購入してからカードが届くまでのタイムラグがあること、自分でカードを保管・管理すること、若干オンラインコード版よりも価格が高めの設定になっているなどのデメリットがあります。
パッケージの違い
永続版(買い切りタイプ)には、複数のパッケージが用意されています。
詳細については Amazon マイクロソフトストア で確認できますので、ここではWindows版の個人利用パッケージの比較をザックリと行ってみたいと思います。
永続版(オンラインコード)
Office 2021 に関しては、大きく分けて3つのパッケージがあり、パーソナル → ホーム&ビジネス → プロフェッショナル という順番で、収録ソフトの数が増えていきます。
Office 2021
Personal
Word | ○ |
Excel | ○ |
PowerPoint | |
Outlook | ○ |
OneNote | |
Access | |
Publisher |
Amazon販売価格2024/01/26調べ
¥33,930
収録ソフト数の違いは価格の違いにも表れていますが、パーソナルとホーム&ビジネスの価格差が意外と少ない印象です。
パワーポイントを単体で購入した時の価格を見ると、その差額だけでもホーム&ビジネスはお得に感じます。
個人的な感覚で申し訳ないのですが、管理人的にはOneNoteとOutlookに関しては、あっても無くても構わない位置づけで、むしろ必要性を感じないくらいです。
問題はパワーポイントです。
仕事をしていた頃は欠かせないソフトでしたが、その後は使う機会もなかったので、バンドル版ではパワーポイントを含まないものを選択していました。
ただ、あらためて製品版の価格差を見てみると、ピクピクッと食指が動いてしまうんですよね。
Word、Excel、PowerPoint
「Word」は文書作成ソフト。
「Excel」は表計算ソフト。
「PowerPoint」はプレゼンテーションソフト。
という区別がハッキリある中で、、、
とはいえワードが苦手で、エクセルを使って書類を作成しているという人は多いです。クセの強いワードより、エクセルのほうが楽だと感じる気持ち、凄くわかります。
でも、それならパワーポイントのほうが、もっと楽だよ、というのが個人的な感覚です。
小説やレポートのように、長文作成には断然ワードが有利です。
これに対し、ポスターやチラシのように、キャンバスの上にイラストや写真、テキストボックスといったパーツを自由に配置いくようなものは、エクセルやパワーポイントのほうが楽です。
そしてパワーポイントの場合は、1枚のスライドを「1枚の用紙」という感覚で作業ができるところが、管理人的にはエクセルよりも好きなところです。
Microsoft の 「Office テンプレート」で配布されているポスターテンプレートには、パワーポイントを利用するものも多く含まれるほどです。
図形描画機能だけを比較すると、実はパワーポイントの機能が一番充実しているというのも選択する際のポイントになると思います。
また、プレゼン用ソフトとしては利用機会がなくても、動く個人アルバムを作って趣味的に楽しむこともできます。
永続版のパッケージ選びに悩んでいる場合は、こうしたパワーポイントの使い方も合わせて検討してみると良いと思います。
ちなみに、プレゼン用の独特な使い方はありますが、ワードやエクセルを使ったことがあれば、それほど難しいソフトでは無いと思いますし、むしろワードやエクセルよりも楽しく使えると思います。
Microsoft 365
パッケージ選びに悩む必要が無いのが、Microsoft 365 の良いところですね。
更新の手間や継続の有無で悩むことはあるかもしれませんが、普段は縁のないソフトを思いっきり試せるし、常に最新機能が使えます。
とりあえず1年間使ってみるのも良いかもしれません。
最後に…
結局、管理人が購入したのは、
『Office 2021 Home & Business』永続版のパッケージ版(カード) です。
Personal にしなかったのは、やはりパワーポイントが欲しかったからです。
そして、これを楽天市場で購入しました。楽天スーパーDEALの対象になっていたことと、溜まっていた楽天ポイントが残っていたこともあり、実際の支払額が抑えられたことも決め手でした。
オンラインコード版のほうが手軽だし管理も楽だし…という思いもありながら、PCの不具合でネットに接続できなくなった経験から、どうしてもプロダクトキーを手元に置きたい気持ちが勝ってしまうんですよね。
大体、ソフトの再インストールというのは忘れた頃にやって来るものなので。しかも予期せぬ形で。
驚いたことに、本当に、カードしか送られてきませんでした。
説明書も、保証書も、一切付属するものはなく、ホントー!にカードのみ。
カードに書かれた文字があまりにも小さくて、老眼にはきつかったー。
販売形態が複雑化してて、商品を選ぶのに苦労した割に購入後の作業は実に簡単でした。
カードにはダウンロード用のサイトURLと、簡単なインストール方法が記載されています。
サイトにアクセスさえすれば、インストールそのものはいたって簡単で、所要時間もCD-ROMやDVD-ROMを使っていた頃よりも数倍早く終わってしまい、拍子抜けするくらいでした。
さて、Microsoft側としては今後サブスク契約に統一していきたい様子がありありです。公式サイトなんかは、パッケージ版購入ページにたどり着くのが難関になってるくらいじゃないです?
ただ、日本の利用者からは、まだまだ永続版を望む声が多いようです。
そうした声をかき消すほどのサービスやプランの追加・変更があるのか? それともブーイング覚悟でサブスクリプションのみの提供へと踏み切るのか…。
今後の動向に注目しておく必要がありそうです。