[輪郭ツール]を使用すると、カーブまたはシェイプの境界線を、内側、または外側にオフセット(ずらす)することができます。今回は、この[輪郭ツール]を学習します。
輪郭ツールでできること

[輪郭ツール]を使うと、オブジェクトの元の輪郭を、内側、または外側にずらすことができます。

境界線は、オフセットされた位置まで移動しますが、太さは変わりません。

「輪郭ツール」という名称からは「輪郭を作るツール」という印象になりがちですが、実際に使う場合は、シェイプやカーブから効果的なデザインを作る強力な助っ人ツールになるみたいです。
そのためには、色々な図形でツールを試して、どんな動きや変化が生まれるのかを見ていく必要があるようです。
シェイプ
輪郭をオフセットすることで、単純にシェイプを組み合わせただけでは作ることが難しい図形を新たに作り出すことができます。


カーブ
直線や曲線でも、輪郭を広げることができます。

テキスト
テキストの場合は、そのまま使うとテキストが潰れてしまうので、ベースのテキストの下に複製を作り、輪郭を広げて使うと効果的です。

[輪郭ツール]の使い方
[輪郭ツール]の使い方は、次の通りです。
- [輪郭ツール]を選択します。
- カーブまたはシェイプを選択した状態で、左右にドラッグします。
- 必要ならば、コンテキストツールバーでオプションを設定します。
[輪郭ツール]のコンテキストツールバー
[輪郭ツール]は、コンテキストツールバーでオプション設定ができます。

半径
コンテキストバーの[半径]に値を入力すれば、正確な値でオフセットできます。
半径設定で正確な値を指定し、元の輪郭に対して、どのように輪郭が広がるかを検証します。
まず、境界線のある四角形と、直線を用意しました。

この2つに「半径=20px」と設定した結果、下図のようになりました。

境界線は、デフォルトでは中央に揃える設定になっています。[境界線]パネルの[整列]を使って、位置の調整が可能です。
輪郭タイプ

輪郭の形は、デフォルトでは丸みのある「ラウンド」です。「マイター」、または「ベベル」を選択して鋭角タイプに変更できます。
輪郭タイプ: ラウンド
ラウンドは、角が丸型になります。

輪郭タイプ: マイター
マイターは、角が尖った形になります。

輪郭タイプ: ベベル
ベベルは、角を斜めに切り落とした形になります。

マイター

この[マイター]オプションは、[輪郭タイプ]の「マイター」とセットになります。
マイター結合の延長によって鋭角または平角が作成される範囲を設定します。
輪郭タイプをマイターにすると、シェイプやテキストの形によっては、角が飛び出したように形成されたりして、形が崩れることがあります。これを調整するのがオプション[マイター]です。

フォントの種類(形)や、その中の一部の文字、サイズなどが影響するため、必ずしも全てのテキストで形が崩れるわけではありませんが、トゲが出現した時の対応策として覚えておくと良いと思います。
輪郭の先端

線端の形を、「なし」、「ラウンド」、「正方形」の中から選択します。
「なし」と「正方形」は似ていますが、「正方形」は線端ノードの位置を中心にした四角形になるため、一辺の半分がベースの線端からはみ出すことになります。
「ラウンド」も、線端ノードを中心にした円形が作られるので、半径分が飛び出します。

輪郭の塗りつぶし

輪郭をオフセットした後で、シェイプの塗りつぶしを設定できます。
- 自動的に閉じる
開いたカーブの場合は、内部領域を開いたままにし、
シェイプ(閉じたカーブ)は、閉じたままの状態にします。- 強制的に開く
シェイプの内部領域を強制的に開きます。
- 強制的に閉じた
開いたカーブを強制的に閉じます。
検証
開いたカーブを用意し、同じ輪郭半径を設定したあとで[自動的に閉じる]と[強制的に閉じた]の違いを検証してみました。
結果、、、
- [自動的に閉じる]は、作ったままの状態で輪郭が開くだけ。
- [強制的に閉じた]は、開いたカーブだったのに閉じられて、別の図形に見える。

この他、輪郭タイプを変えてみると、また違った顔を見せてくれるようになります。
こうした特徴を理解して、上手に活用していきたいですね。
アピアランスをベーク
輪郭オブジェクトをカーブに変換します。
これで、独立した図形として扱えるようになります。(輪郭は編集できなくなります)

[ノードツール]の
[カーブに変換]と同じみたい