AffinityDesignerの使い方に慣れてきた頃、「はて、点線はどうやって作るのかな?」と悩みました。

慣れ親しんだソフトでは「点線」を選ぶ程度で、苦労した記憶がありませんでしたが、AffinityDesignerの中には「点線」という言葉が見つかりません。

ブラシパネルの中に点線らしきアイコンはありますが、点線ではなく「破線」でした。

危うく、ここでブン投げてしまうところでしたが、なんのことはない、破線で点線を作るという、わかりにくい構造になっていました…

点線と破線は境界線パネルで設定する

境界線を点線/破線にしたい場合は、[境界線]パネルを使って設定します。

[境界線]パネルの[スタイル]の中から、[破線スタイル]を選択すると、[実線スタイル]とは違う設定項目が表示されます。

上図の赤で囲んだ部分が[破線パターン]コントロールです。

[破線パターン]コントロール内の数値を変更することで、様々な破線パターンを作ることができます。

点線にする場合も、この[破線パターン]コントロールを使います。

破線パターンコントロールの使い方

破線パターンコントロールには、6個の数値を入力できるようになっています。

実際には、2つで1セットになっており、3つの数値ペアを使ってパターンを設定します

セットは、前の数値で[破線]後ろの数値で[ギャップ(間隔)]を指定します

均一のパターンを作りたい場合は、最初の2つ(上図❶)を使うだけで済みますが、凝ったパターンを作る場合は、❷(3番目+4番目)と、❸(5番目+6番目)のペアを使ってスタイルを組み立てます。

破線パターンコントロールに入力する値は、現在のライン幅が基準になります。

例えば、「2」という値を入力すると、ライン幅の2倍を意味します。

Sample

百聞は一見に如かず。

太さの違う線を使って、破線パターンの違いを見てみましょう。

破線パターン: 1,1,0,0,0,0

3~6番目の数値は「0」のままなので、均一の幅と間隔のパターンが作れます。

破線パターン: 1,2,0,0,0,0

2番目、つまりギャップの数値を変えたため、隙間が広くなります。

ギャップに指定した「2」は線の太さの2倍と言う意味になるため、パターン内の数値は同じでも、線の太さが違うと隙間の広さが異なります。

破線パターン: 1,2,4,2,0,0

2つ目のセット(3番目+4番目)にも値を入力することで、複雑なパターンになります。

50ptのサンプルだけ、前項サンプルから変化してないように見えますが、全長に対して調整されているためです。線を伸ばせば指定したパターンになります。

破線パターン: 1,1,1,1,1,5

3セットをフル活用しました。

サンプルでは、3セットとも破線の数値を同じにして、最後のギャップだけ数値を大きくして間隔を広げてみました。

色んなパターンが作れますね!

線端タイプを変える

前章のサンプルを見て感じるように、線の端が丸みを帯びたスタイルになっています。

この形は、境界線パネルの[線端]タイプで変えることができます。

線端のタイプは3種類です

  • ラウンド線端
  • バット線端
  • 正方形線端

ラウンド線端

ラウンド線端では線端のノードを中心に、線幅を直径にした円形の輪郭が作られます。

分かりやすいように、上図では線幅50ptのライン線端に赤丸を表示しました。

つまり、線の太さの半分サイズが、先端からはみ出すことになります。

バット線端

バット線端の場合は、線端ノードより外側に飛び出さないスタイルです。

正方形線端

正方形線端では線端のノードを中心に、線幅の四角形が作られます。

点線の設定方法

さて、ここで「点線は?」という疑問を解決しておきましょう。

「点」を作るには[破線パターン]を設定する時に、破線の長さを「0」にして、線端タイプを[ラウンド線端]にします。

そうすると、両端の円形がギュッと組み合わさって「点」になります。

あとは好みのギャップ(間隔)を指定するだけです。