Affinity Designer【ベクターブラシ】の追加方法

自分専用にカスタマイズしたブラシや、既存のイラストをベクターブラシとして登録できます。

ベクターブラシの追加

追加できるベクターブラシの種類

ベクターブラシには、3種類のブラシを追加できます。

種類別の追加方法

ブラシの種類別に、追加方法を見ていきましょう。

ソリッドブラシ

ソリッドブラシは、[新規ソリッドブラシ]を選択すると、基本的なソリッドブラシが自動的に追加されます。

追加されたソリッドブラシを、使い勝手が良いようにカスタマイズしておくことができます。

カスタマイズ

追加したソリッドブラシは、ブラシのダイアログボックスでカスタマイズできます。

ダイアログボックス内の詳細は、後の章でご紹介します。

テクスチャ強度ブラシ

ラスター画像の不透明度の値に基づいたブラシを作成できます。

ブラシを使用する際は、[カラー]パネルや[スウォッチ]パネルで選んだ色で描画できます。

どんな画像を用意するのか？

登録できるのは、PNG形式の画像です。

「不透明度の値に基づいた」というのを分かりやすくするために、下図の「ブラシ(A)」を登録してみました。

下図で、テキスト「ABC」の上にかかる半透明の水色部分が、ブラシ（A）を使って、水色のカラーで直線を引いた結果です。

ブラシ(A)は、下のようなグラデーションの割合で作ってあります。

ラスター画像の「黒」部分は完全な透明（＝不透明度：0）になり、「白」の部分は選択したカラーで描画されています。「黒」から「白」に変化していく状態も、ブラシに反映されているのがわかります。

また、ブラシのダイアログボックスでは、「ストレッチ」と「繰り返し」を選択できます。

例えば、下図のような「星」の形がはっきりしたブラシ(B)を追加してみます。

[ストレッチ]は、境界線の長さに合わせてブラシ画像を引き延ばし、[繰り返し]は、境界線の長さに合わせて繰り返します。

どんなブラシとして使いたいかに合わせて、PNG画像を用意するようにします。

テクスチャ画像ブラシ

ラスター画像のカラー情報を活かせるブラシになります。

取り込み可能な画像形式はPNG画像です。

テクスチャ画像ブラシは、境界線の[カラー]を「なし」にしておくと、元画像のカラーで描画できます。

境界線の[カラー]を選択すると、選択した色で描画されます。

ベクターブラシのカスタマイズ

ブラシのダイアログボックスを使って、ブラシをカスタマイズできます。

ダイアログボックスは、[ブラシ]パネル内のブラシをダブルクリックで開きます。

サンプルに使ったブラシのPNG画像

各項目の意味

❶ ブラシ幅

境界線のサイズを設定します。

❷ サイズの許容誤差

境界線をペイントする際の、ブラシ幅の変動量を設定します。

❸ 不透明度の許容誤差

境界線をペイントする際の、透明度の変動量を設定します。

❹ ポップアップメニュー内

[なし/筆圧/速度/逆速度]
特定の入力に応じてブラシのサイズと不透明度が変化します。

• ペンタブレットの場合は「筆圧」
• マウスの場合は「速度」、または「逆速度」

❺ ランププロファイル
（プロファイルアイコン）

筆圧プロファイルを設定します。
用意された標準プロファイルを選択、もしくは、ランプチャートを使用して独自のプロファイルを作成します。

❻ 本体

[ストレッチ/繰り返し]
境界線の長さに合わせて中央セクションを描画する方法を決定します。

❼ コーナー

[フォールド/オーバーラップ/プル]
境界線内でコーナーの描写方法の操作に使用する方法を決定します。

❽ ヘッドオフセット

ヘッドセクションが本体セクションになる変換ポイントを設定します。

❾ テールオフセット

本体セクションがテールセクションになる変換ポイントを設定します。

リセット

すべての境界線の設定を、保存されているブラシプリセットに戻します。

名前を付けて保存する

現在の境界線の設定をプリセットブラシとして保存します。

閉じる

ダイアログを終了し、境界線の設定を選択したオブジェクトに適用します。

「❼ コーナー」について

[コーナー]の設定内容は、境界線の中にコーナーが存在する時に効果が出ます。

[ヘッドオフセット/テールオフセット]の使い方

[ヘッドオフセット]と[テールオフセット]を使うと、画像の両端に固定する範囲を設定できます。

[ヘッドオフセット]は、境界線の始点側、[テールオフセット]は終点側を設定します。

ブラシに使うPNG画像に合わせて、両端、もしくは片側の変換ポイントを設定します。

設定方法

サンプルを使って設定方法を確認してみましょう。

下の「魚肉ソーセージ」のイラストはイラストダウンロードサイト【イラストAC】
からダウンロードしたものです。

ブラシとして取り込んだ後、ダイアログボックスを開きます。

[ヘッドオフセット]と[テールオフセット]の値は、下の画像に表示されている赤い点線と連動しています。「値」を入力するよりも、赤い点線を左右にドラッグしたほうが、変換ポイントを決めやすいです。