今回の記事では、AffinityDesignerで矢印を作る方法に焦点を当ててみます。

どんな矢印を作れるか?

AffinityDesignerでは、大きく分けて2つのタイプの矢印を作ることができます。

  • 「線」タイプの矢印
  • 「ブロック」タイプの矢印

「線」タイプの矢印

ペンツール、鉛筆ツール、ベクターブラシツールで描画したカーブを矢印にできます。

直線や曲線、フリーハンドの線など、自由な形のラインにできるのがメリットです。

また、線の種類を破線や点線に変えることもできます。

「ブロック」タイプの矢印

存在感の強いブロックタイプの矢印は、シェイプツールの「矢印ツール」を使って簡単に作ることができます。

カスタマイズできる項目も豊富です。

線タイプの矢印を作る方法

矢印は、境界線の片端、または両端に設定可能で、それぞれに違う種類のスタイルにすることもできます。

基本的な作り方

  • [ペンツール]、[鉛筆ツール]、[ベクターブラシツール]のいずれかを使って、直線、または曲線を描画します。
  • 線の選択が解除されている場合は、[移動ツール]を使って選択します。
  • [境界線]パネルで、[開始位置]または[終了位置]のポップアップメニューから、矢印のスタイルを選択します。

矢印線のカスタマイズ

[境界線]パネルで、矢印をカスタマイズできます。

矢印のカスタマイズ
開始位置/終了位置

矢印のスタイルを変更できます。

パーセント
(開始/終了)

[開始位置]および[終了位置]で矢印スタイルを選択すると入力可能になります。

矢印と境界線幅との相対的な大きさを比率で調整します。

[矢印を線の内側に配置]  [矢印を線の端に配置]

[矢印を線の内側に配置] / [矢印を線の端に配置]

スタイルの開始とスタイルの終了を、線の端のどこに配置するかを選べます。

[矢印の先端と根元を入れ換えます]

[矢印の先端と根元を入れ換えます]

[開始]および[終了]矢印の先端スタイルを入れ換えられます。

[矢印の先端をクリア]

[矢印の先端をクリア]

矢印の設定をクリアします。

ブロックタイプの矢印を作る方法

[矢印ツール] [矢印ツール]を使うと、素早く矢印を作ることができます。

基本的な作り方

  • ツールパネルの中から[矢印ツール]を選択します。
    • デフォルトでは[角丸四角形]が表示されています。このアイコンを長押しすると、ポップアップメニューが表示され、中に[矢印ツール]が表示されます。
  • ドキュメント上でドラッグして、矢印を描画します。
  • 詳細カスタマイズの前に、プリセットを開いてお好みの形に近い矢印を選択すると効率が良いです。

カスタマイズ

描画した矢印は、ハンドル(赤)、または、コンテキストツールバーでカスタマイズできます。

描画した矢印を選択していると、赤いハンドルが表示されます。このハンドルをドラッグして、矢印の形をカスタマイズできます。

赤いハンドルと[矢印ツール]のコンテキストバーの項目には、機能が一致(連動)しているものがあります。

手軽に変更する場合はハンドルをドラッグし、正確な値で設定したい場合はコンテキストツールバーを使うなど、使い分けができます。

コンテキストツールバーの[端点]では、ブロックの「右」と「左」それぞれで、矢先のスタイルを選択できます。

[端点]で選択したスタイルによって、コンテキストツールバーの表示は[長さ]もしくは[サイズ]に変わります。

[プロポーショナル]、[長さ]、[サイズ][内側のオフセット]に関しては、左右で異なる設定ができるため、両方の端点に矢印を設定している場合は、「左」と「右」のそれぞれの項目が表示されます。

[プロポーショナル]にチェックが入っていると、矢印のサイズを変更するときに、先端の縦横比が維持されます。オフの場合、先端のサイズはデザインに合わせて変更されます。

最後に、、、

コンテキストツールバーの端っこにあって目立ちませんが、図形の変形に関する補助機能と、[カーブに変換]という項目が残っています。

[カーブに変換]は、シェイプツールで作った幾何学図形をカーブに変換することで、ノードツールでの編集できるようにします。

変形の補助機能(下図❶~❹)は、移動ツールやノードツールなどでも共通する機能です。

特筆しておきたいのは、上図❶の[変形の起点を有効にする]です。

[変形の起点を有効にする]をONにすると、図形を回転する時の支点の位置を変えることができます。

通常、図形の中心が支点になって回転するので、特に矢印のような「先端」のある図形を回転する時に、位置を合わせるのが面倒です。

回転の支点を変えるだけで、回転する方向を見失いにくくなります。

シェイプから矢印を作る方法

シェイプ(図形)の境界線を矢印にすることもできます。

Sample 1 「ハート」の境界線を矢印に変える

シェイプの境界線をそのまま矢印にする場合は、境界線に塗り色と幅を設定し、[境界線]パネルで[開始位置]と[終了位置]を指定するだけで、矢印になります。

  • ツールパネルで[ハート形シェイプ]を選択します。
  • ドキュメント上でドラッグし、ハートを描画します。
  • コンテキストツールバー[塗りつぶし]のカラー見本をクリックし、[塗りつぶしなし]を選択します。
    • お好みで色を設定してもOKです。
  • コンテキストツールバー[境界線]のカラー見本をクリックし、色を選択します。
  • コンテキストツールバー[境界線の幅]をクリックし、[]、[開始位置]、[終了位置]、必要ならば他の項目を設定します。

前の設定が残ってしまい、カーブやシェイプを描画すると矢印になってしまう場合は、[境界線]パネルで [矢印の先端をクリア]をクリックするか、ツールバーで[デフォルト設定を復元]をクリックします。

Sample 2 「半円カーブ」の矢印を作る

[扇形ツール]を使って半円カーブの矢印を作ってみましょう。

  • ツールパネルから [扇形ツール]を選択します。
  • ドキュメント上でShift+ドラッグを行います。
  • 赤いハンドルをドラッグして、半円にします。
  • コンテキストツールバーで塗りつぶしは「なし」にし、境界線塗り色を指定します。
  • コンテキストツールバー[境界線の幅]をクリックします。
  • 開いた画面内で、[]を指定します。
  • 続けて、[開始位置]または[終了位置]で矢印のスタイルを設定します。
    • 必要ならば、他の設定も行います。
  • コンテキストツールバーで[カーブに変換]を選択します。
    • シェイプを右クリックして→[カーブに変換]を選択しても同じです。
  • 不要なセグメントの上にカーソルを乗せ、Ctrl+クリックで削除します。

Sample3 好きな位置を矢先に変える

今度は[星形ツール]を使って、境界線上の任意の場所を矢印に変えてみましょう。

  • ツールパネルから [星形ツール]を選択します。
  • ドキュメント上でShift+ドラッグを行って星を描画します。
  • コンテキストツールバーで[カーブに変換]を選択します。
    • シェイプを右クリックして→[カーブに変換]を選択しても同じです。
  • 不要なセグメントの上にカーソルを乗せ、Ctrl+クリックで削除します。
  • コンテキストツールバーで塗りつぶしは「なし」にし、境界線塗り色を指定します。
  • コンテキストツールバー[境界線の幅]をクリックします。
  • 開いた画面内で、[]を指定します。
  • ノードをドラッグすれば、ラインを伸ばしたり角度を変るなどの変形ができます。
  • [境界線]パネルで、[開始位置]または[終了位置]で矢印のスタイルを設定します。

このように、カーブに変換すると [ノードツール]で編集ができるので、カーブを開いたり、新しいノードを追加するなどして、好きな場所を矢印の先端にすることができます。