久々の更新になりますが、Affinityからの重大ニュースを受けて、急遽更新することにしました。
こちらのサイトは、買い切り版の画像編集ソフトであるAffinity製品について、個人的に勉強した内容をまとめるために作りました。
個人的な備忘録という目的はもちろんのことですが、IllustratorやPhotoshopに比べて情報が少ないソフトの愛用者として、誰かの役にも立てるのでは?という期待もありました。
少しずつでもアクセスが増えてくると、見えないお仲間がいるんだなぁ~と、ほっこりしてました。
さて、少し前からAffinity公式から思わせぶりなメールが届いていたので、新作に向けて着々と動いているな・・・という気配は感じていました。
そして、2025年10月31日に発表された内容は驚きのものでした。
「無料化します!」
「3つのソフトをひとつにまとめます!」
もう、ビックリ。
意味わかりません。でも、本当の話のようです。
Affinity と Adobe
今更言うまでもないと思いますが、画像編集ソフトといえば、IllustratorとPhotoshopが双璧をなす定番中の定番です。どちらもAdobeの製品です。
Adobe製品も当初は買い切りでしたがなかなかの高価格。素人には手を出しづらい価格帯であったところに、いつしかサブスク契約のみの販売形態に変わり、ますます遠い存在に感じていました。
そんな中で、Adobeに変わる存在として徐々に注目を集めていたのが、Affinityの製品です。
Adobe製品
「Illustrator」はベクター形式の画像を扱うソフトで、イラストやロゴなどを作成するのに適しています。
「Photoshop」はラスター形式の画像編集ソフトで、写真編集に適しています。
Affinity製品
Affinityには、以下3つのソフトが存在していました。
- Affinity Designer
- Affinity Photo
- Affinity Publisher
「Affinity Designer」はイラスト作成に適したソフトです。
特徴としては、同じソフトの中で画面を切り替えながらベクター形式とラスター形式の両方を扱うことができる点があげられます。
「Affinity Photo」は写真編集に適したソフトです。
写真の補正・調整のほか、画像合成などの細かい作業にもきめ細かく対応しています。
「Affinity Publisher」は印刷物を作るのに適したDTPソフトです。
雑誌や新聞などのレイアウトデザインが得意です。
このように、それぞれに得意分野を分けて、3つのソフトはそれぞれ単体で販売されていました。
大転換
さて、今回発表されたAffinityの新作は、大きな転換を遂げました。
まずは無料化。
今までの機能を削ることなく、有料ソフトに遜色ない機能を集約した上での無料化というのが驚きです。
無料化と共に大きく変化したことといえば、ソフトの統合です。
上でご紹介したDesigner、Photo、Publisherの3つがひとつのソフトに統合されました。
今までは、Affinity Designerの中でベクターとラスター(ピクセル)の画面を行ったり来たりしながら作業できることを喜んでいましたが、今度は同じソフトの中で、写真編集もDTPもできるようになったんです。
「それって、重くならないの?」とか、
「画面が煩雑になるんじゃない?」とか、
「お金払って買った意味ーーーっ!!」とか、とか、とか、、、
あぁ、せめてPublisherを買ってなかったことが救いかもぉ~
まぁ、色々と思うところはあります。
何より、チビチビと育ててきたこのサイトの意味は???
(8月から更新が滞っているのは置いといて…)
新しいAffinity
新しいAffinityの紹介動画をサラッと確認してみました。
よくわからないのは、今使ってるバージョンとの共存です。
3つのソフトが統合されるとなれば、かなりの変化がありそうです。今のバージョンで困ったことがあるわけでもないので、使い慣れた状態を一気に新バージョンに上書きされてしまうのは抵抗があります。
できれば同居させたいと思いますが、そうした説明を見つけることができませんでした。
ただ、気になるものは気になるので、サブマシーンのほうに取り込んでみました。
UI(ユーザーインターフェイス)の変化
作業画面は、3つのソフトが統合されたわりにはスッキリしてました。
Affinity Designer 2

NEW Affinity

従来のAffinityDesignerを使い慣れている人にとっては、デザイナーペルソナとピクセルペルソナを切り替えるのと同じ感覚で異なる機能に行き来するので、違和感はないと思います。
画面切り替えに用意されているのは「ベクター」「ピクセル」「レイアウト」「Canva AI」です。

おや? 書き出しペルソナが無い?と思いましたが、実は上記4つは初期設定で、カスタマイズ次第で別の機能を追加したり、使わない機能を外すこともできます。
「スライス」という名称に変わっていましたが、書き出しペルソナと同等の機能を呼び出すこともできました。

画面がシンプルに見える要因は、ツールアイコンがモノクロになったことがことが一因かな?と感じます。
微妙に形が変わったアイコンもありますが、ヘルプ表示が少しだけ親切になった点もあって、そのうち慣れると思います。

ただし、Affinityの場合は同じ機能やツールがバージョンごとに名称が変わることが多々あります。
サッと見た感じでは「ベクターブラシツール」が「パスブラシツール」に変わってたので、他にも変わった名称があると思われ、注意が必要かもしれません。
Canva AI
もうひとつの大きな注目ポイントとしては、Canvaとの連携が挙げられます。
今回のAffinityは、ソフトの機能としてCanvaとの関係が強化されているのも特徴です。
ご存じの方も多いかもしれませんが、「Canva」というのは、無料で使えるオンライン上のデザイン編集サービスです。
PCにソフトをインストールする必要がなく、オンライン上だけで簡単にデザイン編集ができます。基本機能に加えて様々なアプリが公開されているので、高度な編集もできるようになっています。
デザイン用の素材やフォントも用意されていて、無料の範囲でも使い勝手は良いものの、有料会員になれば、より高品質の素材やツールを使うことができます。
Canvaそのものはオーストラリアの企業が始めたサービスで、以前からデザイン業界では注目されていたようです。私のような個人でも、ブログのアイキャッチ作りなどでお世話になることも多いサービスでした。
で、今回のAffinityです。
Canvaが2024年3月にAffinityを買収した、というニュースは目にしていましたが、こんな形で連携してくるとはねぇ~と驚きました。
新しいAffinityに用意された「Canva AI」は、Affinityの編集画面でCanvaのAI機能が利用できるというものです。
そして、このAI利用こそが今回の「無料化」を支える収入源になるようで、この「Canva AI」を利用するには、Canvaの有料会員になる必要があります。
おっと、書き忘れていましたが、無料Affinityをダウンロードするには、Canvaの無料会員になる必要があります。AIを使う使わないは別として、会員登録は必須です。
ちなみにCanvaに新規登録する場合、FacebookやGoogleなどのアカウントを使ってサクッと登録することもできます。
話を元に戻します。
Affinityの中で利用できるAI機能は、ザックリあげると「背景削除」「主題選択」といったものがありましたが、Affinity Photoの中でも似たような機能があるので、個人的にはAIの機能が増えた頃に改めて考える感じかなぁと思いました。
「画像生成」の機能も使えるようですが、趣味として自分でイラストを作ることに喜びを感じているような私にとってはその必要性が低いので、お金払ってまで使う機能では・・・という感覚です。
AIに関しては、むしろ仕事などで効率よくデザインを仕上げたい界隈には、俄然興味の出る機能なんでしょう。
説明動画を観る限りでは、AI機能もさることながら、チームを組んでデザインを編集するようなプロ集団にとって、Canvaの共有機能が効率化や高度化を図る起爆剤になるという自信があるように思います。
追加機能
バージョンアップという意味では、機能の強化や新機能の追加も説明がありました。
中でも個人的に注目したのが画像トレース機能の追加です。
IllustratorにはあってAffinityには無い機能として挙げられていた中でも特に羨ましかったのが、ラスター画像をベクター化する画像のトレース機能です。
これが、とうとうAffinityにも追加されたわけです。
手書きのイラストやテキスト、そして、既存のPNG画像をベクター化するのが自動化できるというのは、かなりワクワクします。
今回もスルー
Affinityが敬遠される理由のひとつとして言われるのが、日本語の縦書き機能に未対応という部分です。
デザイン関連の仕事をされる方にとっては大きな問題点でしょう。要望も出ているとは思うのですが、今回の新バージョンでも縦書き機能が追加された様子はありません。
日本語ヘルプの拙さなんかを見ると、日本対応はかなり優先度が低いんだな、と感じざるを得ません。
まとめ
新しいAffinityをとりあえずインストールはしてみたものの、サブマシーンの使い勝手が悪いため、どんなもんかをサラッと確認した程度なのが現在地です。
Pubulisherに関しては「初めまして」の機能なのでなんとも言えませんが、「ベクター」と「ピクセル」の画面を見る限りでは、従来の機能はそのままに、新しい機能も加えつつ上手にまとめあげたという印象です。
ただ、買い切り版のDesignerとPhotoの両方を所有している私は、今すぐ新しいAffinityに切り替えるより、しばらくは世間の反応を見ていよう…という感じです。
でもって、Adobe製品からの乗り換えや、これから画像編集を始めようという人であれば、これは相当のチャンスなので、是非とも試してみる価値があると思います。
素人が長らくフリーソフトで遊んでいたのに、Affinityを手にしてから「使いやすい!」「イラレが無くてもコレで充分!」と思えるくらいには使えるソフトなので、無料のチャンスを逃すな!という感じです。
まぁAdobeヘビーユーザーから見れば不足の多いAffinityでしょうが、未来に向けて確実に進化を狙ってることは感じられるので、そうした側面からも注目度の高いソフトなんだと思います。
それにしても更新をサボッてたとはいえ下書き状態で溜まってた記事はあるしで、今後のサイト運営についてはちょっくら悩んでしまいそうです…