AffinityDesignerのシェイプツールの中には[矢印ツール]がありますが、これだと真っすぐ直線に伸びる矢印にしかなりません。

今回作りたいのは下図のようなユーターン矢印です。

作り方は色々あると思いますが、今回は、今までご紹介したツールを使いながら、簡単にユーターン矢印を作る方法をまとめたいと思います。

今回使う機能

ベースになる形は、図形ツールを利用したいと思います。

言葉で「ユーターン」というと、半円の矢印を思い浮かべることもあるかもしれませんが、今回の「ユーターン」は、「まっすぐ進んで引き返す」というのをイメージしているので、ベースに用意する図形は、正円とも楕円とも違う形になります。

ということで、ベースに使うのは長方形(下図C)です。

長方形の角に対して、後から丸みをつけていきます。

ユーターンにも角ばったタイプと丸みのあるタイプがありすが、その形は後で調整できます。

ということで、今回の作業で使うツールは、以下の通りです。

使用するツール
長方形ツール

ベースとなる長方形を作ります。

ノードツール

長方形の不要な「辺」を削除したり、長さを調整します。

コーナーツール

ユーターンの丸みを調整します。

ユーターン矢印の作り方

それでは実際に作ってみましょう。

今回作るのは、縦長のユーターン矢印です。

作り方の手順

  • [長方形ツール]で、矢印の形に近い四角形を作成します。
  • コンテキストツールバーで、次のように設定します。
    • [塗りつぶし]を[なし]にします。
    • [境界線]の色は、お好みの色を選択します。
    • 境界線の太さを、お好みの幅に設定します。(サンプルでは「30pt」)
    • [カーブに変換]をクリックします。
  • [ノードツール]を選択します。
  • 不要な一辺をポイントアップし、Ctrl+クリックでセグメントを削除します。
  • [境界線]パネルで、終了位置のプルダウンメニューから矢先の種類を選択します。(サンプルでは「三角形(細長)」)
  • 矢先のサイズをお好みに調整します。(サンプルでは「60%」)
  • [コーナーツール]を選択します。
  • 上部にある2か所のノードを選択します。
    • 複数ノードを選択する場合は、Shift+クリック、または、対象ノードを囲むようにドラッグします。
  • 選択したノードの内、どちらかのノードにマウスポインタを当てて、内側にドラッグして丸みを調整します。
    • 複数ノードを選択しているときは、どれかひとつをドラッグすると、同時に変形できます。

基本的には、これで完成です。

形の調整

矢印部分のサイズや位置などは、[境界線]パネルで調整できます。

[境界線]パネルが表示されていない場合は、[ウィンドウ]→[境界線]で表示できます。

矢印のサイズを変える

[境界線]パネルの[終了位置]のパーセンテージを変更して、矢印のサイズを変更できます。

線端を平らにする

矢印になってないほうの線端を平らにしたい場合は、[境界線]パネルの[線端]で[バット]、または[正方形]を選択します。

矢印の配置位置を調整する

矢の位置は、[矢印を線の内側に配置]、または [矢印を線の端に配置]で調整できます。

丸みの調整

U字部分の丸みを調整する場合は、再び[コーナーツール]を使って調整できます。

長さの調整

直線部分の長さを変える場合は、[ノードツール]を使って線端ノードをドラッグすることで変更できます。

ドラッグする際にShiftを押しながらドラッグすると、ノードを真っすぐ移動できます。

ただし、ドラッグするノードと残りのノードの位置関係によっては、矢印の形が崩れることがあるので注意が必要です。

そんな時は、形が崩れたほうのコーナーを、再びコーナーツールで調整し直します。

また、長さ変更の前に次のように対策し、U字部分が固定されるようにしておくのもお勧めです。

  • [コーナーツール]を選択します。
  • コンテキストツールバーの[アピアランスにベーク]をクリックします。
    • ノードが追加されてカーブの開始位置までが固定され、長さの調整がしやすくなります。
    • アピアランスにベークすると、コーナーツールは使えなくなります。
  • 線端のノードをドラッグして、長さを調整します。

最後に…

今回は、ユーターンの形をした矢印を作りました。

この矢印を使う機会が多いようなら、アセットに登録しておくと使い勝手が良いと思います。